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支援員のお悩み相談室 第42回 コロナ禍の影響か、友だちに自分の気持ちを伝えるのが苦手な子が増えているように感じます。どのような点に気をつければいいでしょうか。

回答者:小野 さとみ

2023.01.20

コロナ禍で、ここ3年ほど学童保育での活動が制限されてきました。そのせいか、以前より友だちに自分の気持ちを伝えるのが苦手な子が増えているように感じます。子どもたちの変化をどう捉えて、どのような点に気をつけていけばいいでしょうか。

今まで以上に「一人ひとりの声をていねいに聞く」「人とのつながりを大切にする」ことを心がけましょう。

 

コロナ禍で感じる子どもの変化、不安な気持ちに気づくことから

コロナ禍で、「マスクをつけて」「手洗いと消毒を」「食事は黙食で」「密になる遊びは避けて」と、大人が決めて指示することを、子どもたちはちゃんと守り、頑張って生活してきました。感染対策として必要なことでしたが、子どもたちはずいぶん我慢をしながら、不安も大きかったことでしょう。

しかし、「自分たちで何かを決める」「何かをしたいと言う」など、子ども自身が考えて行動する機会が減り、言われたことはやるけれど、「どうせこれはできないだろう」と、はじめからあきらめてしまっている子どもも見受けられます。また、友だちへの言葉かけや気持ちをうまく表現できなくて些細なことでトラブルになってしまったり、不安がうまく伝えられなくて、「おなかが痛い」「頭が痛い」と、なんとなく不調を訴えたりすることも増えているように感じます。まずは、そういう子どもたちの変化や不安に気づき、一人ひとりの声をていねいに聞いていくことが大切です。

例えば、密を避けるために、友だちと関わりながら一緒に遊ぶ場面が制限されました。友だちと遊ぶためには、自己主張をしつつ我慢したり折り合いをつけたりするさまざまな力が必要です。友だちとの関係をつくる経験が少ないために、相手の考えを理解したり、うまく距離を取ったりできず、ちょっとしたことでのトラブルが多くなりました。

トラブルも大切な経験のひとつですが、トラブルを解決するためには、支援員が今まで以上に子どもたちの間に入っていく必要があります。お互いが言いたいことを整理してあげたり、どう考えて、どう行動すればいいのかを一緒に話し合ったりして、子どもたち同士が関わりあうきっかけをつくれるように心がけましょう。

 

体験が減っていることを、大人が意識しながら取り組みを

恒例となっていた季節の行事を実施するのも難しい3年でした。以前なら、夏祭りでは準備から当日のお店当番、遠足では道路を集団で歩き、交通機関の乗り方や公共でのマナーを学び、キャンプではご飯をつくったり、みんなでお泊まりしたりと、仲間と一緒にわくわくしながら楽しむ機会がありました。コロナ禍を過ごした子どもたちは、学童保育だけでなく、学校でも家庭でもいろいろな体験が減っていることを、支援員は意識することが必要です。

また、保護者から「うちの子と○○くんの関係が心配です。いじめられているんじゃないでしょうか」というような相談も増えたようにも感じます。「○○ちゃんにこんなことを言われてイヤだった」というわが子の話から、「いじめられているんじゃないか」と心配になってしまうのです。

学童保育での子どもたちの様子を具体的に伝えると、「そういうやりとりがあったのですね」と安心してもらえます。行事や保護者会などで、学童保育の様子を見る機会が減り、保護者同士や支援員とのつながりが少なく、子どもの友だちの顔や性格など「わからない」「知らない」ことが多くなって不安が増えているのでしょう。

子どもの友だちやその親を知っていると、小さなトラブルがあっても納得できたり、おおらかな対応ができたりします。子ども、保護者、支援員、それぞれがつながる機会として、行事や保護者会の活動を見直していくことも必要になってくるでしょう。学童保育でのさまざまな経験を通して、子どもたちがたくましく育っていけるといいですね。


(文・構成 生島典子)

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小野 さとみ

回答者プロフィール小野 さとみ (おの・さとみ)

1962年愛知県生まれ。名古屋市、東京都八王子市や町田市で放課後児童クラブ支援員として勤務し、支援員歴37年。現在は町田市の放課後児童クラブの支援員。
全国学童保育連絡協議会・副会長、月刊『日本の学童ほいく』編集担当役員を務める。