たのしーと制作者インタビュー「遊びながら学ぼう!」 第1回 東京学芸大学芸術・スポーツ科学系 准教授 正木賢一さん
「放課後たのしーと」を総監修している、東京学芸大学芸術・スポーツ科学系の正木賢一准教授はグラフィクデザインの専門家で、絵本や映像メディアの研究をされています。子どもの学びにとって、いかに「遊び」が大切かを伺いました。
遊びながら学ぼう!
子どもって、「楽しい!」「面白い!」と思っていることは、時間を忘れてやり続けませんか。自分が面白いと感じたことは、たとえうまくいかなくても「もっとやってみたい!」という探究心やチャレンジ精神を芽生えさせるからです。
それはやがて「なぜこうなるの?」「もっと知りたい」という未知なるものへの好奇心を呼び起こし、自分の興味の対象に打ち込む「情熱」となり、「次はこうやってみよう」という自ら課題をつくる究極の学びに発展します。
子どもが自ら「楽しい!」「面白い!」と感じる遊びゴコロが「学び」につながるのです。
好奇心や情熱、大人はそっと見守ろう
遊びとは本来、子ども自身が創り出す自発的な活動です。大人が考えた遊びや宿題などの「お題」を与えているだけでは、好奇心や情熱は生まれません。よく子どもが「好きなことが見つからない」という話を聞きますが、「放課後たのしーと」のようなさまざまなジャンルの遊びを経験することで、自分はどんなことに「楽しい!」「面白い!」と感じるのかに気付き、きっと「好きなこと」が見つかるでしょう。それは自己肯定感を高めるきっかけにもなります。
大人はぜひ、夢中になって遊ぶ子どもに寄り添い、楽しい時間を共有してほしいですね。大人の役割は子どもが興味を持ったことをやり遂げることができるように、そっと見守ることだといえます。大人も一緒に成長していけるはずです。
(2020年3月19日朝日新聞朝刊「おうちでたのしーと」より再構成)