放課後キッズサポーターの取り組み 【トヨタ自動車株式会社】夏休み出張教室が学童保育施設「二番町こどもクラブ」にやってきた!「トンボから環境を考えよう」

2021.10.04

たのしーとサイトから無料配送を申し込める、大人気の環境プログラム

※本件コンテンツは、23年3月31日をもって掲載を終了いたしました。

身近なトンボを題材に、「推理クイズ」や「3コママンガ」などを通じて環境について考える、トヨタ自動車株式会社制作の冊子「トヨタ環境こどもプログラム(トンボ篇)」。3月後半から放課後たのしーとのサイトで無料配布の案内をしたところ、8月末までに1万2000部以上の申し込みがありました。冊子の申し込みにあたって、学童保育の皆さんからは「環境問題はこれからの時代の主軸。子どもたちに楽しく学んでほしい」「環境について自ら考えさせ、近所の田んぼへ行って観察したい」「夏休みにぜひ実施したい」などのコメントが寄せられました。

講師はトヨタの社員。学童保育で環境について遊びながら学ぼう!

夏休みに入ったばかりの日、東京都千代田区の学童保育、二番町こどもクラブで、「トヨタ環境こどもプログラム」を使った出張教室が行われました。講師を務めるトヨタの社員はじめ、関係者は手洗い、消毒をしっかりし、マスク、フェースシールドを装着。子どもたちが座るテーブルは講師と間隔を空けて配置し、消毒液を置くなど、できる限りの新型コロナウイルス感染対策を行っての実施です。

「わー、トンボだ!」。自分の筆箱を持って喜々として会場に入ってきたのは、1年生から6年生まで40人の子どもたち。複学年が同じ体験をできるのは学童保育ならではのメリットです。子どもたちはプロジェクターに映し出されたトンボの写真を、身を乗り出して見つめています。「今日はみんなに探偵になってもらうよ」という講師のトヨタ社員の声かけでプログラムはスタートしました。

推理を楽しもう!「ハッチョウトンボを絶滅危機に追い込んだ犯人は誰だ!?」

前半は、「ハッチョウトンボを絶滅危機に追い込んだ犯人は誰だ!?」という推理クイズの出題です。講師が「ハッチョウトンボは日本一小さいトンボですが、どれくらい小さい?」「1番、ソフトボール」「2番、みかん」「3番、一円玉」と問いかけると、子どもたちは答えだと思う番号で「ハーイ!」と元気よく手を挙げます。「答えは、3番!」と言うと、「わー、当たった!」「え~、ハズレた!」という声が会場に響きます。学校の授業と違って、みんな真剣だけどリラックスした様子です。

続けて「なわばりの広さは?」「どうやって寝るでしょう?」などのクイズに取り組みます。最後に講師が「ハッチョウトンボを絶滅危機に追い込んだのは誰か当ててみよう」と聞くと、「アメリカザリガニ!」「カマキリ!」「人間!」など、さまざまな意見が飛び出します。「ジャジャーン、犯人は、私たち人間でした!」という画像が出ると、子どもたちは「えー!?」「当たったー」と声を上げます。「人間が環境を破壊したせいで、ハッチョウトンボの住む場所が少なくなっているんですよ。みなさん名探偵でしたね。捜査にご協力ありがとうございました。ハッチョウトンボが近くにいないか、調べてみてください」と講師が締めくくって、推理クイズはおしまい。

3コママンガ「とんぼ兄さんのやってらんね~!! 劇場」を読もう!

後半は、赤トンボの一種であるアキアカネの気持ちを3コママンガで表した「とんぼ兄さんのやってらんね~!! 劇場」を読んでいきます。最初に聞こえてきたのは、スピーカーから流れるコンピューターの声。「ちかごろ夏があつすぎるぜっ!・・・(略)・・・やってらんね~!!」と、一本調子で機械的に読み上げる早口のトンボの声を静かに聞いていましたが、終わった途端に「キャー」「ワハハ」と歓声が上がります。「とんぼ兄さんやりたい人いるかな?」と講師が言うと、次々に手を挙げます。はっきりと元気に読み上げる低学年の子や、コンピューターのまねをして機械のように読み上げる高学年の子もいて、それを聞くみんなも和気あいあいと楽しそう。

「日差しが強いと体温が上がりすぎないよう、体をまっすぐに立てる」「幼虫のヤゴはオタマジャクシを食べるが、逆にアキアカネはカエルに食べられる」など、マンガを読みながらアキアカネの生態を学んでいきます。


環境のために自分ができることを考え、「環境宣言」を完成させよう!

トンボは他の生き物を食べるが、食べられもする、生態系のちょうど中間に位置する生き物。「生態系の目安」と言われるトンボを守ることで、他の生き物の生態系も守られるといいます。高学年の子の中には、「ボク、『生態系』知ってるよ!」と言いながら、冊子にある生態系の図を一生懸命眺めている子も。トンボが元気に暮らせる環境を取り戻すためには「ゴミを捨てない」「水を汚さない」「自然を大切にする」ことが大事。講師からのお願いに、子どもたちは静かに聞き入ります。

今日学んだことを踏まえて、みんなでトンボが楽しく生きていけるような「環境宣言」を書きます。冊子にあるトンボの絵に好きな色を塗って、自分の考えを吹き出しに書き、壁のポスター「みんなの環境宣言」に貼り付けていきます。「川を汚さない」「プラスチックをリサイクルする」「自然を大切にする」「地球温暖化を防ぐ」などのコメントが見受けられます。最後に、トヨタオリジナルの折りたためるうちわや、 放課後たのしーとのファイルなどのお土産を受け取り、子どもたちの笑顔いっぱいでプログラムは終了しました。

子どもへのアンケートでは、以下のような感想が寄せられました。
「トンボのすいりクイズでトンボのことをしれてよかった(1年生)」
「どの虫も大変なんだ~と思いました(2年生)」
「これからはトンボがすんでいけるようにがんばる(3年生)」
「トヨタはクルマの会社だと思っていましたが、地球や生き物などが安心できる活動も行っていると知りました。私も協力していきたい(4年生)」
「トンボは日本にあまりいなくなっているので、環境を大切にしたい。今まで身近だった生き物がいなくなっていることを知り、おどろきました(5年生)」

二番町こどもクラブの支援員のみなさんからは、「コロナ禍でお出かけができず夏休みの思い出がつくれないなか、冊子や映像を使ったプログラムで子どもたちは楽しそうだった」「環境という難しい題材だったが、クイズやマンガを使ってわかりやすく興味がわく内容だった」「環境宣言で自分たちができることを考え、実践しようとする姿が見られた」などの感想が寄せられました。

構成・文:米原晶子 写真:編集部 取材協力:二番町こどもクラブ